書籍「ゴルフデータ革命」より ゴルフ上達に役立つデータ

書籍「ゴルフデータ革命」より ゴルフ上達に役立つデータ

ゴルフは、スコアを測ることができるスポーツです。しかし、スコアだけでは、自分のプレーの強みや弱みを正確に把握することはできません。また、どのように練習すれば効果的に上達できるのかもわかりません。

そこで、ゴルフのスコア分析に革命を起こした書籍「ゴルフデータ革命」を紹介します。この書籍は、コロンビア大学ビジネススクール教授のマーク・ブローディ氏が、1000万回以上のショットデータをもとに考案した「Strokes Gained(稼いだ打数)」という指標を解説しています。

Strokes Gainedとは、カップまでの残り距離におうじて、その距離からホールアウトするまでの平均打数をもとに、自分のショットが平均とくらべて良かったのか悪かったのかを定量的に評価できる指標です。例えば、ワンピン(8フィート、約2.4m)から1パットでカップインした場合、PGAツアー全平均のパット数が1.5打なので、自分の当該パットが1打でカップインしたら、平均よりも0.5打良かった(1.5-1=0.5)ということになります。

この指標は、パッティングだけでなく、ティーショットやグリーンに乗せるまでのショットにも適用できます。また、プロゴルファーだけでなく、アマチュアゴルファーのレベル別のデータも載っているので、自分の目標とするレベルと比較することができます。

この記事では、「ゴルフデータ革命」から抜粋したいくつかのデータを紹介し、それらがどのようにゴルフ上達に役立つかを考えてみます。

内容

①パッティングは過大評価されている
②ティーショットは飛ばすだけではダメ
③パーオン率は高いほうが良いのか

パッティングは過大評価されている

「Putt is Money」という言葉があるように、パッティングはゴルフにおいて重要な技術だと思われがちです。しかし、「ゴルフデータ革命」では、パッティングはロングゲームよりも大事だというのは誤りであることが示されています。

実際に、「ゴルフデータ革命」では、2004年から2012年までのPGAツアー全体のスコア差へのパッティングの貢献度は15%しかないことが明らかにされています。つまり、85%はグリーンに乗せるまでのショットが決め手となっているということです。

また、「ゴルフデータ革命」では、100切りを目指すアマチュアゴルファーに対しても同様の結論が導かれています。100切りを目指すアマチュアゴルファーは、平均して1ラウンドあたり38パットをすることがわかっています。しかし、これを30パットまで減らしたとしても、8打しかスコアが改善されません。一方、グリーンに乗せるまでのショットを改善すれば、もっと大きな効果が得られます。

これは、「ゴルフデータ革命」では、「パッティングは過大評価されている」という見出しで書かれている通りです。パッティングは重要ですが、それ以上にグリーンに乗せるまでのショットが重要だということを認識する必要があります。

ティーショットは飛ばすだけではダメ

ティーショットは飛ばすだけではダメだということは誰でもわかっています。しかし、「ゴルフデータ革命」では、「飛ばすだけではダメ」ということを数値的に裏付けています。

「ゴルフデータ革命」では、「ティーショットで稼いだ打数(SGD)」という指標を用いてティーショットの効果を測定しています。これは、「Strokes Gained(稼いだ打数)」指標の一種であり、「グリーンに乗せるまでに稼いだ打数」と同じ考え方です。

具体的には、「ティーショット後からグリーンに乗せるまでに要した打数」と「その距離からグリーンに乗せるまでに要する平均打数」との差分を計算します。例えば、300ヤード飛ばしたティーショット後からグリーンに乗せるまで2打要した場合、「その距離からグリーンに乗せるまでに要する平均打数」が2.8打ならば、「ティーショット後からグリーンに乗せるまでに稼いだ打数」は0.8打(2.8-2=0.8)となります。

この指標を使って、「ゴルフデータ革命」では2004年から2012年までのPGAツアー全体のSGDランキングトップ10選手とボトム10選手を比較しています。その結果、「SGDランキングトップ10選手」は「SGDランキングボトム10選手」よりも平均して1ラウンドあたり1.6打稼いでいました。

しかし、「SGDランキングトップ10選手」と「SGDランキングボトム10選手」の間では、「ドライビングディスタンス(DD)」「ドライビングエクラシティ(DE)」「フェアウェイキープ率(FKR)」「グリーンインレギュレーション率(GIR)」「サンドセーブ率(SSR)」「パターナンバー(PN)」「スコア(SC)」など他の指標でも大きな差が見られました。

特に興味深いことは、「SGDランキングトップ10選手」と「SGDランキングボトム10選手」ではDDやDEではほぼ変わらないことです。つまり、ティーショットでは飛距離や方向性だけではなく、その後のショットの難易度や成功率も考慮する必要があるということです。飛ばすだけではダメなのです。

パーオン率は高いほうが良いのか

パーオン率は、グリーンに乗せるまでのショットの精度を測る指標としてよく使われます。しかし、「ゴルフデータ革命」では、パーオン率は高いほうが良いとは限らないことが示されています。

「ゴルフデータ革命」では、「グリーンに乗せるまでに稼いだ打数(SGT)」という指標を用いてグリーンに乗せるまでのショットの効果を測定しています。これは、「Strokes Gained(稼いだ打数)」指標の一種であり、「ティーショットで稼いだ打数(SGD)」と同じ考え方です。

具体的には、「グリーンに乗せるまでに要した打数」と「その距離からグリーンに乗せるまでに要する平均打数」との差分を計算します。例えば、200ヤードのセカンドショットでグリーンに乗せた場合、「その距離からグリーンに乗せるまでに要する平均打数」が2.5打ならば、「グリーンに乗せるまでに稼いだ打数」は0.5打(2.5-2=0.5)となります。

この指標を使って、「ゴルフデータ革命」では2004年から2012年までのPGAツアー全体のSGTランキングトップ10選手とボトム10選手を比較しています。その結果、「SGTランキングトップ10選手」は「SGTランキングボトム10選手」よりも平均して1ラウンドあたり2.1打稼いでいました。

しかし、「SGTランキングトップ10選手」と「SGTランキングボトム10選手」の間では、「パーオン率(POR)」「パターナンバー(PN)」「スコア(SC)」など他の指標でも大きな差が見られました。

特に興味深いことは、「SGTランキングトップ10選手」と「SGTランキングボトム10選手」ではPORではほぼ変わらないことです。つまり、グリーンに乗せるまでのショットでは、グリーンに乗せること自体よりも、どこに乗せるかが重要だということです。ピンを攻めて近くに乗せることができれば、パット数やスコアも改善されます。

これは、「ゴルフデータ革命」では、「パーオン率は高いほうが良いとは限らない」という見出しで書かれている通りです。パーオン率は重要ですが、それ以上にピンポジションや残り距離を考慮する必要があります。

まとめ

ゴルフ上達に役立つデータを紹介しました。「ゴルフデータ革命」は、これらのデータだけでなく、他にも多くの有益な情報が満載です。例えば、

– パッティングのマネジメント:データと物理学でパッティングがうまくなる

– グリーンに乗せるまでのマネジメント:データと最適化でスコアを縮める

– 最短でうまくなるための練習用ゲーム:まずは実力を正確に測定する

などです。この書籍を読めば、ゴルフの見方や考え方が変わります。自分のプレーを客観的に分析し、効果的な練習法やコースマネジメントを身につけることができます。

ゴルフ上達に興味のある方は、ぜひ「ゴルフデータ革命」を読んでみてください。データを活用してスコアアップしましょう!

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